インプラントと保険について
近年インプラントが保険適用となりました。…が、インプラントで保険が適用になるのは、条件を満たした場合に限ります。
結論から言うと、「一般的な症例では条件を満たさない(保険が適用にならない)」と言えます。
「健康な歯を削りたくないから、ブリッジではなく、インプラント義歯にしたい」「入れ歯には抵抗があるから、インプラントにしたい」…このようなケースでは、保険適用の条件を、残念ながら満たすことはできません。
インプラント治療で保険適用となるケース
唇顎口蓋裂や悪性腫瘍などの病気に対して、骨造成術・下顎骨再建術などの手術を行ったケース、事故で顎の骨を失い、骨再建を行ったケース、生まれつき顎の骨に欠損が認められるケースなど、保険が適用となるケースは限られています。
この他にも、治療を受ける施設(大学病院などの病院内の歯科・口腔外科)、歯科医の実績など、さらに多くの条件があり、一般的な症例では、保険が適用にならないということがわかると思います。
インプラントは先進医療ではなくなりました。
「先進医療を実施する病院でインプラント治療を受ければ、医療保険で補償が受けられるのか?」
このように、民間の医療保険などの特約の一つ『先進医療特約』を、インプラント治療で使えないかと、考える人も多いと思います。
しかし、2012年4月1日より、インプラントは保険が導入されたので、現在は先進医療から外れています。医療保険などの先進医療特約の対象ではなくなっているのです。
「変更前に治療を受ければ良かった…」と後悔する人もいるかもしれませんが、インプラントが先進医療の対象であった2012年3月31日までに、インプラント治療を受けたとしても、先進医療の治療対象にはならなかった可能性が高いです。
インプラント治療で先進医療と認められていたのは、事故や病気、手術などにより、広範囲の顎の骨を失ったケースなどであり、一般的な症例は承認されていません。
自由診療だからこそ、歯医者の選び方が大切
「インプラント治療の経済的な負担を、少しでも軽減させたい」というお気持ちはわかりますが、残念ながら現在のところ、インプラント治療は自由診療であり、医療保険などの補償を受けることはできません。
高額の費用をかけるのですから、治療の成功はもちろんのこと、きちんとドクターとコミュニケーションがとれて、納得して治療を受けられる歯科医院を選択することが大切でしょう。



